歩き方を、もう一度考えてみませんか?

歩き方を、もう一度考えてみませんか?

施術を通じて身体を見続ける中で気になった「足元」と「歩き方」。ローリング歩行への疑問から、足趾で地面を捉えるグラビング歩行という考え方までをご紹介します。

歩き方を、もう一度考えてみませんか

歩くことは、私たちが毎日のように繰り返している、ごく当たり前の動作です。


ところが、自分がどんなふうに歩いているのかを、あらためて考えたことはあるでしょうか。


どこから足を着いているのか。
足の裏をどう使っているのか。
足の指は、歩くときに何をしているのか。


歩き方は、誰かに習ったというより、いつの間にか身につき、そのまま何十年も続けている方がほとんどでしょう。


毎日繰り返す動作だからこそ、一度考えてみる価値があるのではないでしょうか。


私は長年、施術を通じてさまざまな方の身体に触れ、身体の使われ方を観察してきました。


その中で次第に気になってきたのが、「足元」と「歩き方」でした。


施術を続けるうちに、「足元」が気になり始めました


私は仕事柄、肩や腰などに不調を抱えた方の身体に触れる機会が多くあります。


施術では、つらさを感じている場所だけでなく、筋肉の緊張や張り、動き方などを全身から確認していきます。


そうして身体を見続けるうちに、膝、足首、そして足趾の使われ方が気になるようになりました。


立っているときには、どう身体を支えているのか。
歩くときには、どこで地面を捉えているのか。
足の指は十分に使われているのか。


身体に触れて得られる情報と、立ち方や歩き方を重ねて見ていくうちに、


「身体に現れている状態と、毎日繰り返している歩き方には、何か関係があるのではないか」


と考えるようになりました。


もちろん、身体の状態を歩き方だけで説明できるわけではありません。


それでも私にとって、「歩く」という日常動作は無視できないものになっていきました。

「正しい歩き方」は、本当に一つなのでしょうか?

歩き方について調べると、よく目にする説明があります。


踵から着地し、足裏へ体重を移し、最後につま先で地面を蹴って前へ進む。


いわゆる「ローリング歩行」です。


私自身も、かつては特に疑問を持っていませんでした。


ところが、身体や歩き方を観察するうちに、一つの疑問が生まれました。


「足の指は、これで十分に使われているのだろうか?」


人の足には、多くの骨や関節があり、その先には5本の足趾があります。


「正しい歩き方」を覚える前に、歩くとき、自分の足が実際にどう使われているのかを考える必要があるのではないか。


私の関心は、次第にそこへ向かっていきました。

では、歩くとき「足」はどう使われているのでしょう?

そこで私は、自分の歩き方でも試すようになりました。


足をただ地面に置いて前へ進むのではなく、足趾まで使って地面を捉えるように歩いてみる。


すると、足裏の感覚や身体の運び方が、それまでとは違って感じられました。


私が興味を持ったのは、単に「踵から着くか」「つま先から着くか」という二者択一ではありません。


地面に触れた足を、その後どう使うのか。


足趾を含めた足で地面を捉え、その力を次の一歩へつなげる。


足趾で地面をつかむように働かせる動作は、一般に「把持」「グリッピング」と呼ばれるものです。


私は、この働きを歩行全体に取り入れる考え方を「グラビング歩行」と呼んでいます。



足で地面を「つかむ」――グラビング歩行という考え方

「グラビング(grabbing)」とは、つかむこと。


私は、足趾を含めて足を使い、地面をつかむように捉えながら身体を前へ運ぶ歩き方を「グラビング歩行」と呼んでいます。


大切なのは、単に「つま先から着地すればよい」ということではありません。



どこに足を着くのか。
足趾はどう働くのか。
その力を次の一歩へどうつなげるのか。


特に私が注目しているのが、小趾球を含めた前足部と足趾の働きです。


施術の現場で身体を観察し、自分でも試しながら考え続けた結果、ローリング歩行とは異なる視点から生まれたのが「グラビング歩行」です。


そして実際にこれを伝えようとしたとき、一つの難しさに気づきました。

ところが、頭で分かっても歩き方は変わりませんでした

来院された方にも、歩き方についてアドバイスしてみました。


実際に動きながら説明すると、


「あっ! わかった! こんなふうにすればいいんですね」


と、その場では感覚をつかんでいただけることがあります。


ところが、後日その方の歩き方を見ると、いつもの歩き方に戻っている。


そんなことが何度もありました。


考えてみれば、歩くたびに足の動きを一つひとつ考えている人はいません。長い年月をかけて身につけ、ほとんど無意識に繰り返している動作です。


頭で理解したことと、身体が自然にできることは別なのです。


それなら、意識しなくても身体が新しい動きを選べるようになるには、どうすればよいのだろう。


そこから私は、歩き方だけではなく、身体の使い方や、それを身につける過程まで考えるようになりました。

歩き方を変えるなら、足だけを見ても足りない

実際に歩いているのは、足だけではありません。


足が地面に触れ、膝や股関節が動き、骨盤や体幹が続き、腕も動く。身体全体が連動して一歩がつくられます。


さらに、長年身についた身体の使い方には、その人なりの癖があります。


そこで私は、歩き方を変えるには、身体全体の使い方を考える必要があると思うようになりました。


新しい動きを意識しやすくするため、さまざまな方法も試しました。


その一つが、アルペンスキーで経験してきた身体の使い方とウォーキングポールから着想した「アルパインウォーキング」です。


以前はこの方法を中心にお伝えしていた時期もありました。


しかし、私が本当に伝えたいのは、特定の道具や一つの練習方法ではありません。


自分の身体がどう動き、足がどう地面と関わっているのかに目を向けること。


考え続けるうちに、大切なのはこちらだと思うようになりました。

歩くことは、これからの身体を考えること

歩くことは、特別な運動ではありません。


通勤する。買い物に出かける。旅行をする。街を歩く。
日々の暮らしそのものに「歩く」があります。


だから私は、歩き方を考えることは、単に「きれいなフォームを身につける」という話ではないと思っています。


年齢を重ねても、旅行へ出かけたい。
好きな服を着て街を歩きたい。
仕事にも趣味にも、まだまだ積極的でいたい。


そんな毎日の土台にあるのも、自分の足で立ち、自分の足で歩くことです。


身体に不調が生じたときだけではなく、普段から自分の身体の使い方に関心を持つ。


歩き方は、そのための一つの入口です。


「もう歳だから」と身体の可能性を最初から決めてしまうのではなく、


これからも自分らしく、颯爽と歩いていくために、自分の身体をどう使っていくのか。


グラビング歩行について考え続けた先に、私がたどり着いたのは、そんな問いでした。

ここから先は、あなたの興味に合わせて

ここから先は、ご自身の興味に合わせて選んでみてください。


考え方を、もっと知りたい方へ


施術の現場で身体を見ながら考えてきたこと、自分で歩きながら試してきたこと、そして「正しい歩き方」とされてきたものへの疑問。


このページでは伝えきれない内容を、一冊にまとめました。


『その歩き方、間違っているかもしれません』


グラビング歩行について、もう少し先まで一緒に考えてみたい方へ。

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足元の環境から考えてみたい方へ


歩き方を考えるうえでは、毎日身体と地面の間にある靴やインソールなどの足元の環境も大切なテーマです。


当院で取り扱っているインソール、サンダル、シューズなどをご紹介しています。

[インソール・サンダル・シューズを見る]


自分の身体について考えてみたい方へ


同じように見える歩き方でも、身体の状態や使い方は一人ひとり異なります。


施術では、つらさを感じている場所だけでなく、筋肉の緊張や張り、身体全体の使われ方などを確認しています。


「自分の身体は今、どんな状態なのだろう」


そんなところから考えてみたい方はこちらへ。

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歩き方を考えることが、自分の身体をもう一度知るきっかけになれば幸いです。